[東京 1日 ロイター] - 午前のドルは軟調で、一時148.51円まで下落し、3月半ば以来4カ月半ぶりの安値を更新した。前日の日銀会合が想定よりタカ派的だったとの見方から、大きく膨らんでいた円売りポジションを巻き戻す動きが続いたという。 ドルは朝方の高値150円前半から下げが勢い付き、午前11時前には148円半ばまで1.8円下落した。 ドル安より円高がけん引した格好で、クロス円も軒並み下落。NZドルが88円半ばと7カ月半ぶり、カナダドルが107円半ばと半年ぶり安値を更新したほか、ユーロが161円前半、豪ドルも97円前半とともに4カ月半ぶり、英ポンドが191円前半と3カ月半ぶり、スイスフランが169円半ばと2カ月ぶり安値を付けた。 市場では、植田和男総裁の記者会見も含めた日銀の姿勢が「円ショートポジションの巻き戻しを行う上で絶好の口実になっている」(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との声が聞かれた。 テクニカル的にドル売りが強まりやすくなっていることに着目する声も多かった。これまでドル/円の下支えとなっていた200日移動平均線を割り込んだことで、下げの長期化が警戒されているという。 ドルが前回200日線を下回った昨年12月は、半月ほどで線上へ切り返したが、その前の22年12月は翌年5月までの半年間、200日線が上限となる上値の重い展開が続いた。